エル・ハズネ(宝物殿)のファサード

エル・ハズネは

岩山の上から、彫り進めたそうです。

命綱的なものはあったのでしょうが

恐ろしいですねぇ・・・

エル・ハズネ自体の高さは、約45mですが

その上の岩山部分(削られていない部分)は

10m以上はありそう・・・ ↓

エル・ハズネ

(東京ドームの高さは、52m位らしい)

岩山の頂上から、断崖絶壁を降りていきながら

削ったり、彫ったりしたことになります。

気が遠くなるような歳月と労力、

危険と隣り合わせの作業。。

なぜ、岩山を削って、作ろうと思ったんだろう。

謎は深まります。

さて、建物の正面部分は

「ファサード」と呼ばれています。

「建築物の正面」という意味だそうです。

内部よりも、外観を重視していて

複雑で、美しい装飾を施すことが多いそう。

(イタリアのドゥオーモでも

外観(正面や側面)を「ファサード」と呼んでいますねぇ)

では、上部から、見ていくことにします。

エル・ハズネ

写真の下部分(柱の上:中央)に装飾されているのは

「7つのグラス(Glasses)」で

1周間(7つの日)を表しているそうです。

では、左側から順に

拡大して撮ってみました。(スマホ使用)

エル・ハズネ

右奥に見えるのが、「ニーケー」で

ギリシア神話の、勝利の女神。

(ローマ神話では、ビクトリア)

ルーブル美術館にある「サモトラケのニケ」の場合は

「ニケ」という表記ですねぇ。

次は、中央部分です。

上部にあるのは、壺(納骨壺)。

ここに宝が隠されている、と信じたベドウィンが

銃撃した跡もあるそうです。

エル・ハズネ

真ん中の彫像は、イシス神。

エジプト神話の女神で

ナバタイの女神(ウッザー)と、同一視されているそう。

このイシス神の下にあるのが、「コルヌコピア」

イシス神のシンボルである「豊穣の角」とのこと。

更に、その下には

メデューサの首があります。

ギリシア、ローマでは、魔除けとして

建造物に彫られたそうです。

右奥の彫像は、テュケーという、幸運と繁栄の女神。

(ゼウスとアフロディーテの娘)

次は、一番右側です。

エル・ハズネ

柱の真ん中にある彫像は、アマゾネス。

(ギリシア神話に出てくる、女性だけの部族)

写真の下部に、丸っぽい模様が

横にズラーっと並んでいますが

これは、「30の花」と呼ばれていて

1ヶ月(30日)を表しているそうです。

一番右端に、四角い痕が、縦に2列になって並んでいますが

これは、「足場」だそうです。

ペトラが発見されて

エル・ハズネを修復する際に

この足場を作って、登り降りした・・・と

現地ガイドさんが言っていたような気がします(笑)

次は、エル・ハズネの下部分です。

エル・ハズネ

正面から見ると、わかりづらいのですが

円柱は、12本あります。

コリント様式で、1年(12の月)を表しているそうです。

では、左部分を。

エル・ハズネ

柱の真ん中にあるのが、ポルックス。

(ギリシア神話の英雄:ゼウスの息子)

顔は、破壊されています。。

右側には・・・

エル・ハズネ

柱の真ん中にあるのが、カストール。

左側にあった「ポルックス」とは双子で

死者の魂を天国に連れて行く英雄、とのこと。

こちらも、顔が破壊されています。。

この双子の神は、「死」に関わる神々であるため

エル・ハズネが

葬祭の儀式に深く関わっていることを示している、

とも言われているそうです。

エル・ハズネに近づいてみると

地下がありました。

エル・ハズネ

階段もあります。

エル・ハズネ

この地下部分は、2003年に

ヨルダン考古局によって、発掘され

墓、大ホール、倉庫、待合室が発見されたそうです。

11体の人骨、ナバタイ土器などの副葬品が見つかり

祭壇には

当時のまま保存された「乳香(フランキンセンス」

と思われる物質も発見されたそうです。

乳香は、教会で焚かれたり

ミイラを作る際の原料にもなっていましたが

ペトラでも、祭壇に供えられていたかもしれない・・・

というのは、とても興味深いです。

交易都市だったので、色々な物資が集まり

建築様式や、文化なども、取り入れていたのですから

乳香をお供えしていた可能性も、ありますねぇ。

エル・ハズネは

内部も、地下部分も、中に入ることは禁止となっています。

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